AIセーフティに関する内容を中心に、国内外の主なAI政策動向をお届けします。
なお、情報収集の都合上、項目ごとに掲載対象期間が異なる場合がございます。
AI政策動向マンスリー情報
日本AISIの活動(5月1日~5月31日)
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(2025/05/28)GPAI 東京イノベーションワークショップ2025に参加
5月28日と29日に開催されたAIに関するグローバルパートナーシップ(GPAI)関連プロジェクトのワークショップ「GPAI東京イノベーションワークショップ2025」に所長の村上ほか4名が参加し、国内外のAI専門家や政府関係者と議論した。同ワークショップは、情報通信研究機構(NICT)のGPAI東京専門家支援センター、モントリオール専門家支援センター(CEIMIA)及びパリ専門家支援センター(Inria)が共催した。
https://tokyo-iw2025.jp/ja -
(2025/05/29)2025年度 人工知能学会全国大会にて所長の村上が講演
5月27日から30日まで開催された2025年度人工知能学会全国大会(第39回)にて、「AIのリスクと安全性〜AI広島プロセスからAISI設立まで」と題し、所長の村上が講演を行った。
https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2025/invited-talk/ -
(2025/05/30)2025ひろしま国際平和&ビジネスフォーラムにて所長の村上が討論に参加
5月30日と31日に広島県・へいわ創造機構ひろしま・日本経済新聞社共催の「2025ひろしま国際平和&ビジネスフォーラム」にて、「生成AIと人類の未来」セッションに所長の村上が登壇し、有識者と討論を行った。
https://events.nikkei.co.jp/72101/
国内AI政策動向(5月1日~5月31日)
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(2025/05)経済産業省が「肖像と声のパブリシティ価値に係る現行の不正競争防止法における考え方の整理について」を公開
経済産業省は、産業構造審議会 知的財産分科会 不正競争防止小委員会での議論を踏まえ、生成AIによる俳優や声優等の肖像や声の無断利用について、不正競争防止法に違反する恐れのある事例を具体的に示した資料を公開した。
https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/shozo_koe.pdf -
(2025/05/09)経済産業省とNEDOが生成AIの社会実装に向け懸賞金活用型プロジェクト「GENIAC-PRIZE」を開始
経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、様々な地域や業種の企業等による生成AIサービスの開発と実導入を促進するため、①製造業における暗黙知の形式知化、②カスタマーサポートの生産性向上、③官公庁における審査業務の効率化、④安全性向上に資する技術開発 の4テーマの生成AIサービスを公募し、総額で最大約8億円の懸賞金を授与。
https://www.meti.go.jp/press/2025/05/20250509002/20250509002.html
https://www.nedo.go.jp/koubo/CD2_100402.html -
(2025/05/12)デジタル庁・総務省・経済産業省が欧州委員会と日EUデジタルパートナーシップ第3回閣僚級会合を開催
デジタル庁・総務省・経済産業省は欧州委員会と日EUデジタルパートナーシップ第3回閣僚級会合を東京で開催し、新興技術分野の競争力や強靭性の強化、AIなどに係るグローバルなデジタル・ガバナンスの形成とイノベーションの主導、経済安全保障の強化における協力を確認し、またその活動を継続することを確認した。
https://www.digital.go.jp/news/9b948ac0-10fb-47d0-aff8-7534d9bb042b
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000192.html
https://www.meti.go.jp/press/2025/05/20250513003/20250513003.html
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_25_1185 -
(2025/05/20)観光庁が観光地・観光産業における生成AIの適切かつ効果的な活用に向けた手引書を公開
観光庁は、観光地・観光産業における生成AIの適切かつ効果的な活用のため、生成AIが有するリスクに対する具体的な対応策やチェックリストをまとめた「観光地・観光産業の生成AIの適切な活用に向けて」と、効果的な事例等をまとめた「観光地・観光産業の生成AIの効果的な活用に向けて」の2つの手引書を公開した。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/topics12_00010.html -
(2025/05/26)産業技術総合研究所が「生成AI品質マネジメントガイドライン第1版」を発行
産業技術総合研究所は、生成AIを用いたシステムのリスク低減と信頼性向上のため「生成AI品質マネジメントガイドライン第1版」を発行した。他社が開発・提供する大規模言語モデルを利用し生成AIシステムを開発・運用する企業を主な対象とし、利用者に対して一定の品質を備えたシステムを提供するため開発・運用者が行うべき事項を体系的に示した。
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2025/pr20250526/pr20250526.html -
(2025/05/27)デジタル庁が「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」を公開
デジタル庁は、政府の様々な業務への生成AIの利活用促進とリスク管理を表裏一体で進めるため、経済産業省、総務省等と協力して検討を行い、「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」を策定・公開した。
https://www.digital.go.jp/news/3579c42d-b11c-4756-b66e-3d3e35175623 -
(2025/05/28)「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」が成立
5月28日、「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」が参議院本会議で可決され成立した。同法は、国際指針に則りイノベーション促進とリスク対応を両立することで、日本が最もAIを開発・活用しやすい国となることを目的とし、国・地方公共団体・研究開発機関・活用事業者・国民の責務や国の行う施策等を定める。同法は原則公布の日から施行されるが、人工知能基本計画の策定・人工知能戦略本部の設置等は、公布後3か月以内に施行される。
https://laws.e-gov.go.jp/law/507AC0000000053
海外主要国のAI政策動向 ※日時は現地時間
【米国】(5月1日~5月31日)
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(2025/05/19)同意のない性的搾取画像の拡散を禁じる「Take It Down法」が成立
AIディープフェイクを含む、本人の同意なくオンライン公開される性的画像や動画(NCII: Nonconsensual Intimate Images)の拡散を禁止し、ソーシャルメディアプラットフォームに対しては、NCIIの存在の通知を受けた場合に速やかに削除することを義務付ける法律Take It Down法(Tools to Address Known Exploitation by Immobilizing Technological Deepfakes On Websites and Networks Act)が成立した。
https://www.whitehouse.gov/articles/2025/05/icymi-president-trump-signs-take-it-down-act-into-law/
【欧州】(5月1日~5月31日)
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(2025/05/23)EU理事会、科学分野におけるAI活用戦略に向けた文書を承認
EU理事会は、「科学分野におけるAIに関するEU戦略に向けて」と題した文書を承認した。科学におけるAIに対する新たな欧州戦略を策定中の欧州委員会に対し、EU理事会は本文書において倫理的、持続可能、包摂的、かつ人間中心のアプローチに基づき、科学分野におけるAIの活用を促進するための包括的な戦略を求めている。
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2025/05/23/council-calls-for-an-inclusive-ethical-sustainable-and-human-centric-strategy-for-the-uptake-of-ai-in-science/
【アジア(中国、韓国、インド、シンガポール)】(5月1日~5月31日)
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(2025/05/08)「シンガポールAI会議:AI安全に関する国際科学交流」開催
シンガポールAI研究週間(2025年4月24日から28日)の一環として、「シンガポールAI会議:AI安全に関する国際科学交流」が開催された。AI安全研究の分野における11カ国の専門家が参加し、AI安全研究の重要性と国際的な合意の必要性について議論した。その結果、「シンガポール・コンセンサス:グローバルAI安全研究の優先課題」が発表された。
https://www.imda.gov.sg/resources/press-releases-factsheets-and-speeches/press-releases/2025/top-scientific-minds-gathered-in-sg-to-advance-ai -
(2025/05/09)IndiaAI Safety Instituteは、インドにおける安全で信頼できるAIの開発、展開、および利用を促進するためにパートナー機関を募集
IndiaAI Safety Institute は、安全で信頼できるAIを推進する取組において、より広範なコミュニティの潜在能力、関心、能力を活用するため、5月9日から6月9日までの期間でパートナー機関の参画を募集した。
https://indiaai.gov.in/article/call-for-partnerships-as-part-of-the-indiaai-safety-institute -
(2025/05/22)中国、ブラジルが議長国を務めるBRICS人工知能ハイレベルフォーラムに参加
5月20日、BRICS議長国ブラジルの首都ブラジリアで、BRICS人工知能(AI)ハイレベルフォーラムが開催された。中国は、BRICS諸国と「開放、包摂、協力、共栄」の理念を堅持し、AI分野における実務協力を継続的に深化させ、共通の繁栄と進歩を促進し、人類運命共同体の構築に貢献していく考えを示した。AIガバナンスルールの実践やBRICS諸国間のAI標準の相互承認、倫理ガバナンスの分野における協力の強化等について議論が行われた。
https://www.miit.gov.cn/xwfb/bldhd/art/2025/art_b43c3e8cc47c40a395be979fa87ee64e.html -
(2025/05/27)韓国、AI大転換時代の包摂安全、信頼を主題に「経済協力開発機構(OECD)デジタル社会推進戦略ソウル討論会」を開催
5月27日、韓国の科学技術情報通信部と韓国知能情報社会振興院は「経済協力開発機構デジタル社会推進戦略ソウル討論会」を開催。韓国、イギリス、ドイツ、インド等、それぞれのAI時代の包摂、安全、信頼確保のための対応事例と主要懸案に対する政策的アプローチと現況の共有、そして質疑応答が行われた。
https://www.msit.go.kr/bbs/view.do?sCode=user&mId=307&mPid=208&pageIndex=4&bbsSeqNo=94&nttSeqNo=3185848
国内の主要なAI関連レポート等(5月1日~5月31日)
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(2025/05/19)科学技術振興機構 研究開発戦略センター(JST CRDS)が戦略プロポーザル「フィジカルAIシステムの研究開発 〜身体性を備えたAIとロボティクスの融合〜」を公表
https://www.jst.go.jp/crds/report/CRDS-FY2025-SP-01.html
海外の主要なAI関連レポート等(5月1日~5月31日) ※日時は現地時間
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(2025/05/07)英国国立サイバーセキュリティセンター(NCSC)が報告書「AIがサイバー脅威に及ぼす影響(現在から2027年まで)」を発表
https://www.ncsc.gov.uk/news/ai-to-2027-threat-assessment -
(2025/05/09)米著作権局(USCO)が報告書「著作権とAI」のうち、「第3部:生成AIのトレーニング」の暫定版を公開
https://www.copyright.gov/ai/Copyright-and-Artificial-Intelligence-Part-3-Generative-AI-Training-Report-Pre-Publication-Version.pdf -
(2025/05/19)米国会計検査院(GAO)が報告書「AI:金融サービスにおける利用と監視」を発表
https://www.gao.gov/products/gao-25-107197 -
(2025/05/22)米サイバーセキュリティ・インフラストラクチャーセキュリティ庁(CISA)及び国内当局、英・豪・NZのサイバー当局が共同で「AIデータセキュリティ:AIシステムのトレーニングと運用に用いられるデータを保護するためのベストプラクティス」を発表
https://media.defense.gov/2025/May/22/2003720601/-1/-1/0/CSI_AI_DATA_SECURITY.PDF