AI政策動向マンスリー情報

AIセーフティに関する内容を中心に、国内外の主なAI政策動向をお届けします。
なお、情報収集の都合上、項目ごとに掲載対象期間が異なる場合がございます。

日本AISIの活動(1月1日~1月31日)

  1. (2026/01/06)「ブリュッセル効果への対応」第6回イベントにて、所長の村上が登壇
    2026年1月6日、東京大学国際高等研究所東京カレッジ、東京大学未来ビジョン研究センター、及び東京大学次世代知能科学研究センターが主催し、AISIも後援するイベント「ブリュッセル効果への対応」第6回のパネルディスカッションにおいて、所長の村上が登壇した。
    https://www.tc.u-tokyo.ac.jp/ai1ec_event/16409/

  2. (2026/01/09)AIインシデントレスポンス・アプローチブックを公開
    2026年1月9日、AIシステム特有のリスクに起因するインシデントに対応するための新たな枠組みとして「AI-IRS(AI Incident Response System)」を示したAIインシデントレスポンス・アプローチブックを公開した。インシデントレスポンスに関する既存の枠組み(NIST SP 800‑61)を基に、AIでは想定外の不具合や誤動作が起こり得ることを前提に、運用中の挙動を観測して早期に異常を把握し、影響を最小限に抑えるための実践的なアプローチをまとめたもの。
    https://aisi.go.jp/activity/activity_security/260109/

  3. (2026/01/14~28)AI担当大臣との対談動画を順次公開
    2026年1月14~28日、内閣府の公式X(旧Twitter)上で、AI担当大臣と所長の村上との対談動画「AIの素朴な疑問をズバリ回答!」シリーズ④~⑦を順次公開した。
    https://x.com/cao_japan/status/2011272163924512904
    https://x.com/cao_japan/status/2013808838667857958
    https://x.com/cao_japan/status/2016345615614279964
    https://x.com/cao_japan/status/2016345490896339299

  4. (2026/01/15、16)Hiroshima Global Forum for Trustworthy AIを開催
    2026年1月15~16日、内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局 人工知能政策推進室と合同でHiroshima Global Forum for Trustworthy AIを開催し、国内外のAI安全性/セキュリティ関係者等と共に、AIの安全性、セキュリティ、信頼性等の向上に向けた国内外の最新動向や、各国のAI安全性/セキュリティ担当機関による取り組みについて議論した。
    https://aisi.go.jp/activity/activity_international/260130/

  5. (2026/01/19)Singapore AI Safety Red Teaming Challenge 2026に参加
    2026年1月19日、シンガポールIMDA(情報通信メディア開発庁)が主催するSingapore AI Safety Red Teaming Challenges 2026に、栗原研究員が日本チームの一員として参加し、日本AISIの活動について紹介した。
    https://sgaisi.sg/resources/imdas-ai-safety-red-teaming-challenge/

  6. (2026/01/22)サイバーセキュリテイセミナーin 兵庫にて講演
    2026年1月22日、こうべ産業・就労支援財団神戸市産業振興センターが主催するサイバーセキュリテイセミナーin 兵庫において、沖田特命担当部長が「AIセキュリティを取り巻く脅威・動向」と題して講演を行った。
    https://kobe-ipc.or.jp/archives/25703

  7. (2026/01/26~30)SCIS2026にセキュリティチームが参加
    2026年1月26~30日、電子情報通信学会情報セキュリティ研究専門委員会が主催する暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS)2026において、小川シニアエキスパートが城西大学及び長崎県立大学と共同で実施した研究「AIサービスの信頼性に対する誤判断の影響評価:片付け・掃除サービスと資産運用サービスにおける影響比較」についての発表が行われた。また、「AIへの攻撃と対策 (5)」セッションでは、桐淵研究員が座長を務めた。
    https://www.iwsec.org/scis/2026/program.html

国内AI政策動向(1月1日~1月31日)

  1. (2026/01/15)日ASEANデジタル大臣会合において、「日ASEANデジタルワークプラン2026」を提案・承認
    日ASEANデジタル大臣会合において、林総務大臣から「日ASEANデジタルワークプラン2026」が提案され、承認された。AIに関しては、「安全、安心で信頼できるAIの推進に関する日ASEANデジタル大臣共同声明」の発出を踏まえ、ASEAN各国におけるAIエコシステムとともに、グローバルなAIエコシステムの構築に向けて、日ASEAN間で具体的な協力を進めていくこととなる。
    https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin09_02000190.html

  2. (2026/01/29)IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」で「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初選出
    IPAは1月29日、「情報セキュリティ10大脅威 2026」を公表したが、組織にとっての脅威として、第3位に「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初選出された。Webページでは、AIに対する不十分な理解に起因する意図しない情報漏えいや他者の権利侵害といった問題、AIが加工・生成した結果を十分に検証せず鵜呑みにすることにより生じる問題、AIの悪用によるサイバー攻撃の容易化、手口の巧妙化などが例示されている。
    https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2025/press20260129.html

海外主要国のAI政策動向 ※日時は現地時間

【米国】(1月1日~1月31日)

  1. (2026/01/01)カリフォルニア州、フロンティアAI透明性法(SB53)を施行
    カリフォルニア州において2026年1月1日、フロンティアAI透明性法(SB53)が施行された。同法は2025年9月29日に知事の署名を経て成立。大規模フロンティア開発者に対し、壊滅的リスクを管理・評価・軽減するためのフロンティアAIフレームワークの公開を義務付けるとともに、フロンティア開発者全般に対し、安全上の重大インシデントを原則として発見から15日以内(死亡や重傷等差し迫った危険をもたらすことを発見した場合は24時間以内)に州当局へ報告することを求めるもの。
    https://legiscan.com/CA/text/SB53/2025

  2. (2026/01/01)カリフォルニア州、コンパニオンチャットボット法(SB243)を施行
    カリフォルニア州において2026年1月1日、コンパニオンチャットボット法(SB243)が施行された。同法は2025年10月13日に知事の署名を経て成立。AIチャットボットの提供者に対し、AIを使用しているコンパニオンチャットボットであることの明示、自殺や自傷行為を促すコンテンツを防止するためのプロトコルの維持及び公開などのほか、未成年に対する追加的な措置を義務付けるもの。
    https://legiscan.com/CA/text/SB243/2025

  3. (2026/01/12)CAISI(旧米AISI)、AIエージェントシステムのセキュリティ向上に係る洞察を求める情報提供依頼を開始
    CAISIは2026年1月12日、AIエージェントシステムにおけるセキュリティリスクや安全対策の高度化に向けた知見の収集を目的として、情報提供依頼(RFI)を開始した。3月9日までの期間で、技術的課題、脅威モデル、ガバナンス上の論点など幅広い観点からの意見を募る。
    https://www.nist.gov/news-events/news/2026/01/caisi-issues-request-information-about-securing-ai-agent-systems

  4. (2026/01/16)エネルギー省、AI労働力育成のための産官学協力促進についての情報提供依頼を開始
    エネルギー省(DOE)は2026年1月16日、大統領令(ジェネシスミッションの開始)に基づき、今後10年間で10万人のAI労働力を迅速に育成するための知見の収集を目的として、情報提供依頼(RFI)を開始した。3月4日までの期間で、国研・高等教育機関・民間セクター間の効果的な協力促進方法等について意見を募る。
    https://sam.gov/workspace/contract/opp/1f6ee2898b724568b4816de787d0b8f6/view

  5. (2026/01/30)CAISI(旧米AISI)、NIST AI 800-2の初期公開ドラフトに関する一般意見募集を開始
    CAISIは2026年1月30日、NIST AI 800-2(Practices for Automated Benchmark Evaluations of Language Models)の初期公開ドラフトに関する一般意見募集を開始した。言語モデルやAIエージェントシステムの自動化ベンチマーク評価について、現時点におけるベストプラクティスを整理したもの。3月31日までの期間で、自動化ベンチマーク評価の有用性や限界の有無、不足している点等について意見を募る。
    https://www.nist.gov/news-events/news/2026/01/towards-best-practices-automated-benchmark-evaluations
    https://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/ai/NIST.AI.800-2.ipd.pdf

【欧州】(1月1日~1月31日)

  1. (2026/01/12)英国Ofcom、英国オンライン安全法に基づきGrokとXの調査を開始
    英国の独立オンライン安全監視機関であるOfcomは1月12日、 英国オンライン安全法に基づきX社に対する正式な調査を開始した。同社が違法なコンテンツから英国民を保護する義務を遵守しているかどうかを判断する。
    https://www.ofcom.org.uk/online-safety/illegal-and-harmful-content/ofcom-launches-investigation-into-x-over-grok-sexualised-imagery

  2. (2026/01/16)欧州電気通信標準化機構(ETSI)、AIモデルおよびシステム向けのサイバーセキュリティ規格を発行
    ETSIは1月16日、AIモデルおよびシステム向けのサイバーセキュリティのベースライン要件を規定する新たな規格、ETSI EN 304 223の発行を発表した。AIモデルおよびシステムのライフサイクルを通じたAIサイバーセキュリティに関する初の欧州規格となる。
    https://www.etsi.org/newsroom/press-releases/2627-etsi-releases-world-leading-standard-for-securing-ai

  3. (2026/01/19)英国政府、政府のデータセットをAI対応にするためのガイドライン等を公表
    英国政府デジタルサービス及び科学・イノベーション・技術省は1月19日、公共部門のデータをAI対応データ(正確性、完全性、一貫性、安全性及びメタデータを強化し、人間と機械の両方が信頼し理解できるデータ)とするためのガイドラインとベストプラクティスを公表した。
    https://www.gov.uk/government/publications/making-government-datasets-ready-for-ai

  4. (2026/01/26)欧州委員会、デジタルサービス法に基づきGrokとXの調査を開始
    欧州委員会は1月26日、デジタルサービス法に基づき、X社のAIツール、Grokによる児童の性的虐待コンテンツを含む違法コンテンツの拡散に関連するリスクに関して調査を開始した。同社がGrok導入に伴うリスクを適切にアセスメントし、軽減したかを評価する。
    https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_26_203

【アジア(中国、韓国、インド、シンガポール)】(1月1日~1月31日)

  1. (2026/01/09)中国政府は「人工知能+製造」特別措置に関する実施方針を発表
    中国政府は2026年1月9日、「人工知能+製造」特別措置の実施意見に関する実施方針を発表した。前年8月に発表した国家AI戦略(「人工知能+」行動の実施の徹底に関する意見)について、製造業分野における実施方針を示したもの。セキュリティとガバナンスにおいては、データ安全・モデル安全・倫理管理を重視し、AIのリスク監視・早期警戒・ガバナンス体制を構築するとしている。
    https://www.nda.gov.cn/sjj/zwgk/tzgg/0107/20260107214358696030895_pc.html

  2. (2026/01/22)韓国、AI基本法を施行
    2026年1月22日、韓国において、人工知能の発展および信頼基盤の造成等に関する基本法(AI基本法)が施行された。同法はAI産業の振興と安全・信頼の確保を両立させる包括法であり、国家AIガバナンスの確立、生成AI・高インパクトのAIに対する透明性確保や安全管理を義務付けるもの。科学技術情報通信部は同日、同法の透明性確保義務(第31条)の具体的な履行方案を盛り込んだ「人工知能透明性確保ガイダンス(ガイドライン)」を公開するとともに、中小企業に対して法務相談や技術助言等の支援を行うサポートデスクを開設した。
    https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148958380
    https://www.korea.kr/briefing/pressReleaseView.do?newsId=156740669
    https://www.korea.kr/briefing/pressReleaseView.do?newsId=156740908

  3. (2026/01/22)シンガポールのIMDA、エージェントAIのための新しいモデルAIガバナンスフレームワークを発表
    シンガポールのIMDA(情報通信メディア開発庁)は2026年1月22日、エージェントAIのための新しいモデルAIガバナンスフレームワーク「The MGF for Agentic AI」を発表した。既存のMGF for AIをエージェント型AIに拡張し、組織に対して、責任を持ってエージェント型AIを配置する方法についての指針を提供するもの。リスク軽減のための技術的および非技術的対策を推奨しつつ、最終的には人間が責任を負うことが強調されている。
    https://www.imda.gov.sg/resources/press-releases-factsheets-and-speeches/press-releases/2026/new-model-ai-governance-framework-for-agentic-ai

国内の主要なAI関連レポート等(1月1日~1月31日)

  1. (2026/01/29)財務省、「各種リスクへの不安」などAI活用に向けた課題を含む「地域におけるAI活用を巡る現状(特別調査)」を発表
    https://www.mof.go.jp/about_mof/zaimu/kannai/202504/tokubetu.pdf

海外の主要なAI関連レポート等(1月1日~1月31日) ※日時は現地時間

  1. (2026/01/21)米国大統領経済諮問委員会、「Artificial Intelligence and the Great Divergence」と題した調査報告書を公開
    https://www.whitehouse.gov/research/2026/01/artificial-intelligence-and-the-great-divergence/
    https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2026/01/Artificial-Intelligence-and-the-Great-Divergence-5.pdf

  2. (2026/01/23)インドの首席科学顧問室(OPSA)、技術法的枠組みによるAIガバナンス強化に関する白書「STRENGTHENING AI GOVERNANCE THROUGH TECHNO-LEGAL FRAMEWORK」を発表
    https://www.pib.gov.in/PressReleasePage.aspx?PRID=2217839&reg=3
    https://psa.gov.in/CMS/web/sites/default/files/publication/AI-WP_TechnoLegal.pdf