AI情報通:8月17日15時の情報

Anthropicは、2026年8月7日にClaude Fable 5の生物学分野における安全対策の更新を発表し、8月14日には同社のAIシステムがもたらすリスクを評価したレポートを公表した。また、8月10日には、OpenAIがサイバー防御担当者向けアクセスプログラム「Daybreak」の拡張を発表した。

生物学分野におけるAI安全策

  • Anthropic. “Improving Fable 5's biology safeguards”
    Anthropicは、Fable 5の生物学分野における安全対策を更新した。安全分類器の誤検知を減らし、同社のテストでは、生物学関連のフォールバックが製品全体で約85%減少した。
    安全分類器は、保護対象の生物学タスクや有害な出力を検知する小型の自動AIシステムで、作動するとOpus 5へ切り替える。Anthropicは分類器のルール群を書き直し、社内外の専門家から意見を収集したうえで、訓練データを更新して再訓練した。有害な内容や、デュアルユースに当たる生物学研究の内容には引き続き概ね作動させながら、検査結果や症状の理解、生物学教育など、良性・有益な用途をより多く利用可能にしたとしている。
    一方、ウイルス学、毒性学、分子設計など、Anthropicがデュアルユースとみなす内容は引き続きOpus 5へ切り替えるようになっているため、Fable 5は、専門的な生物学研究や医薬品開発にはまだ利用できないとしている。また、同社は誤検知が残ることも認めており、研究者が同社の最も高性能なモデルを利用するための、信頼されたアクセス経路を開発すると公表している。

    [リンク]
    Anthropic. “Improving Fable 5's biology safeguards”, August 7, 2026
    https://www.anthropic.com/news/improving-fable-5-s-biology-safeguards

AIシステムのリスク評価

  • Anthropic. “Risk Report: August 2026”
    Anthropicは、同社のAIシステムの能力と、リスク軽減のために講じている措置を踏まえ、同システムがもたらすリスクを評価したレポートを公表した。
    同レポートでは、①高リスク環境におけるミスアラインメント、②AIによる研究開発の自動化、③非新規の化学・生物兵器の製造、④新規の化学・生物兵器の製造の観点からリスクを分析した結果が公開されている。Anthropicは総合リスクとして、①から③については「低い」、④については「低いが相当な不確実性がある」と評価している。
    Anthropicは、今後も、モデルの能力を測定する手法、リスクを評価・管理する能力及び各種リスク軽減策を継続的に改善するとしている。

    [リンク]
    Anthropic. “Risk Report: August 2026”, August 14, 2026
    https://www.anthropic.com/document/aug-2026-risk-report

サイバー分野におけるAI安全策

  • OpenAI. “Expanding Daybreak as the Cyber Defense Window Narrows”
    OpenAIは、承認されたサイバー防御担当者向けのアクセスプログラム「Daybreak」を、Daybreak BlueとDaybreak Redの2つのアクセス区分に拡張することを発表した。Daybreak Blueは、GPT-5.6 Solを含むフロンティアモデルを活用し、脆弱性の発見、安全なコードレビュー、マルウェア分析、インシデント対応、パッチ検証などを支援する。Daybreak Redは、認可された脆弱性研究、エクスプロイト検証、セキュリティテストを対象に、サイバーセキュリティ向けに訓練されたモデルへのアクセスを提供する。
    Daybreak Redで提供されるGPT-5.6-Cyberは、ゼロデイ脆弱性の発見やエクスプロイトチェーンの開発など、専門的なサイバーセキュリティ課題における能力を高めるとともに、一部の高リスクなデュアルユース課題に対する拒否応答を減らすよう訓練されている。Daybreak BlueとRedの双方について、OpenAIは本人確認、アカウントセキュリティ、監視、承認用途の制限、法的誓約等によってアクセスを管理していると公表している。
    OpenAIによると、同社はGPT-5.6-Cyberを用いてChromeのJavaScriptエンジン「V8」を調査し、未知の脆弱性2件を発見したとも発表している。なお、本脆弱性はCVE-2026-15903として修正された。

    [リンク]
    OpenAI. “Expanding Daybreak as the Cyber Defense Window Narrows”, August 10, 2026
    https://openai.com/index/expanding-daybreak-as-the-cyber-defense-window-narrows/

その他のAI関連情報

  1. Qwen:”Qwen3.8-27B”(2026年8月15日確認)
    Qwenは、画像・動画を扱える視覚言語モデル「Qwen3.8-27B」を公開した。同社は同モデルについて、コーディングやエージェント等の機能を強化したモデルと述べている。
    https://huggingface.co/Qwen/Qwen3.8-27B

  2. Anthropic:”How Claude’s text watermark works”(2026年8月14日)
    Anthropicは、EU AI Actへの対応として、今後のClaudeモデルが生成する文章に電子透かしを組み込む予定であると発表した。本記事では、電子透かしは専用の検出キーによりClaudeが文章生成に関与した可能性を判定する仕組みであり、文章の品質や内容等には実質的な影響を与えないと述べられている。
    https://www.anthropic.com/news/claude-text-watermark

  3. Google:”Introducing Gemini 3.7 Flash”(2026年8月13日)
    Googleは、前モデル3.6 Flashと比べ、ソフトウェア開発、ナレッジワーク、ウェブ開発のワークフローを向上させた新モデル「Gemini 3.7 Flash」を発表した。
    https://blog.google/innovation-and-ai/models-and-research/gemini-models/introducing-gemini-3-7-flash/

  4. OpenAI:”Responding to the next frontier of critical cyber capabilities”(2026年8月7日)
    OpenAIは、開発中モデルAstraのサイバー能力に関する内部・予備評価を公表した。同社は、Preparedness Framework上のCritical水準のサイバー能力を現時点では否定できないとして、安全策の堅牢性テストやセキュリティ管理を強化する方針を示した。
    https://openai.com/index/responding-next-frontier-critical-cyber-capabilities/

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