AIセーフティに関する内容を中心に、国内外の主なAI政策動向をお届けします。
なお、情報収集の都合上、項目ごとに掲載対象期間が異なる場合がございます。

日本AISIの活動（1月25日～3月4日）

1. ① （2025/2/7）AIセーフティに関する活動マップ（AMAIS）を公開
   広島AIプロセスやAIソウルサミットの成果を踏まえ、AIの安全性を確保するために必要な活動の全体像を示す「AI セーフティに関するアクティビティマップ（AMAIS）」をディスカッションペーパーとして公開した。
   https://aisi.go.jp/effort/effort_information/250207_1/

2. ② （2025/2/7）データ品質マネジメントガイドブック（ドラフト版）を公開
   AI社会を適切に実現し、データ駆動型社会へと導くために、データとAIの価値を最大化するために必要なデータ品質を持続的に確保するため、何をすべきかを整理した「データ品質マネジメントガイドブック」のドラフト版を公開した。
   https://aisi.go.jp/effort/effort_information/250207_2/

3. ③ （2025/2/7）AIセーフティ年次レポート2024を公開
   2024年2月14日に設立されたAISIの活動状況を「AIセーフティ年次レポート2024」としてまとめるとともに、関連するレポート等についても、年次レポートを補完する参考資料
   「AIセーフティ　ファクトシート2024」として公開した。
   https://aisi.go.jp/effort/effort_information/250207_3/

国内AI政策動向（1月25日～2月21日）

1. ① （2025/2/4）AI戦略会議及びAI制度研究会が「中間とりまとめ」を発表
   内閣府が設置するAI戦略会議及びAI制度研究会は「中間とりまとめ（案）」に係る意見募集を経て「中間とりまとめ」を発表した。イノベーション促進とリスク対応の両立、国際協調を基本的な考え方とし、AIに関する具体的な制度・施策の方向性を示している。
   https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/interim_report.pdf

2. ② （2025/2/18）経済産業省が「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」を発表
   経済産業省は、生成AIの普及を始めとする近年の市場環境の変化を踏まえ、AIの利用・開発に関する契約当事者間の適切な利益及びリスクの分配、ひいてはAIの利活用を促すことを目的とした契約チェックリストを取りまとめ発表した。
   https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250218003/20250218003.html

海外主要国のAI政策動向　※日時は現地時間

【米国】（2月1日～2月28日）

1. ① （2025/2/25）科学技術政策局（OSTP）が科学財団（NSF）を通じAIアクションプランに関する意見の募集を開始
   科学技術政策局（OSTP）は、科学財団（NSF）を通じて、今後策定するAIアクションプランに関する意見募集（RFI）を開始した。1月23日に発令された大統領令14179号「米国のAIリーダーシップの障壁を取り除く（Removing Barriers To American Leadership In Artificial Intelligence）」内で指示されているAIアクションプラン策定へのインプットとするため、3月15日までの期間でAIアクションプランに含めるべき最優先事項についての意見を募る。
   https://public-inspection.federalregister.gov/2025-02305.pdf
   https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/2025/02/public-comment-invited-on-artificial-intelligence-action-plan/

【欧州】（1月25日～2月21日）

1. ① （2025/2/3）フランス政府が国立AI評価・セキュリティ研究所（INESIA）を設立
   フランス政府は国防安全保障事務局（SGDSN）及び経済・財務・産業およびデジタル主権省 企業総局（DGE）が管理する国立AI評価・セキュリティ研究所を設立し、AISI国際ネットワーク に加盟することとなる。国内関係機関が連携し、国家安全保障における体系的リスクの分析、AI規制の実施支援、AIモデルのパフォーマンスと信頼性の評価に取り組む。
   https://www.economie.gouv.fr/actualites/la-france-se-dote-dun-institut-national-pour-levaluation-et-la-securite-de-lintelligence

2. ② （2025/2/7）OECDが広島AIプロセスにおける「国際行動規範」の遵守状況をAI開発企業などが自ら確認・報告する枠組みの運用を開始
   経済協力開発機構（OECD）は、広島AIプロセスの中心的な要素である「国際行動規範」の遵守状況を企業が自主的に確認・報告する枠組みの運用を開始した。日本企業7社を含む主要なAI開発企業がこの枠組みへの参加を表明している。
   https://www.oecd.org/en/about/news/press-releases/2025/02/oecd-launches-global-framework-to-monitor-application-of-g7-hiroshima-ai-code-of-conduct.html
   https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin06_02000309.html

3. ③ （2025/2/11）フランスで開催されたAI Action Summitの共同声明が発表
   フランスのパリで開催されたAI Action Summit全体会合の成果文書となる「人類と地球のための包摂的で持続可能なAIに関する声明」に、日本を含む64の国・地域が署名した。AIエコシステムの多様性を強化することを強調し、AIのアクセシビリティの促進・AIの包摂性や信頼性などの保証・AIのイノベーションの活性化などを優先事項として確認した。
   https://www.elysee.fr/en/emmanuel-macron/2025/02/11/statement-on-inclusive-and-sustainable-artificial-intelligence-for-people-and-the-planet

4. ④ （2025/2/14）英国のAI Safety Instituteが「AI Security Institute」に名称変更
   英国のAI Safety Institute（AISI）は、国家安全保障や犯罪など、セキュリティ上の影響を伴う深刻なAIリスクに対する保護を強化する方針を反映し、「AI Security Institute（AISI）」に名称を変更した。
   https://www.gov.uk/government/news/tackling-ai-security-risks-to-unleash-growth-and-deliver-plan-for-change

【アジア（中国、韓国、インド、シンガポール）】（1月25日～2月21日）

1. ① （2025/01/31）インドのMeitYとIndiaAIがIndiaAI Safety Instituteの設立を発表
   インドの電子・情報技術省（MeitY）とIndiaAIは、IndiaAI Missionの「安全と信頼」という柱の下、AIのリスクと安全性の課題に対処するため、IndiaAI Safety Instituteを設立することを発表した。
   https://indiaai.gov.in/article/india-takes-the-lead-establishing-the-indiaai-safety-institute-for-responsible-ai-innovation

2. ② （2025/01/31）韓国MSITとTTAが、韓国「Trustworthy AI Development Guide」と米国NIST「AI RMF」との間に高い相互運用性を確認したと発表
   韓国の科学技術情報通信部（MSIT）と情報通信技術協会（TTA）は、韓国の「Trustworthy AI Development Guide」と米国国立標準技術研究所(NIST)の「Artificial Intelligence Risk Management Framework（AI RMF）」に関するクロスウォーク分析の結果を発表した。67項目中63項目の整合性が確認され高い相互運用性を確かめた。
   https://www.msit.go.kr/eng/bbs/view.do?sCode=eng&mId=4&mPid=2&pageIndex=1&bbsSeqNo=42&nttSeqNo=1073

3. ③ （2025/01/31）韓国国会本会議で「AI基本法」が可決されたとMSITが発表
   韓国の科学技術情報通信部（MSIT）は、2024年12月26日の国会本会議においてAI基本法が可決されたと発表した。同法はAIに関する国家ガバナンスの枠組みを確立し、AI産業を体系的に育成し、AIに関連する潜在リスクを事前に防止することを目的とする。
   https://www.msit.go.kr/eng/bbs/view.do?sCode=eng&mId=4&mPid=2&pageIndex=1&bbsSeqNo=42&nttSeqNo=1071

4. ④ （2025/02/11）シンガポール政府はAIの安全性向上に向けた3つの新たなAIガバナンス・イニシアティブをAI Action Summitで発表
   シンガポール政府は、パリで開催されたAI Action Summitで、シンガポール国民および世界中の人々のAI安全性向上を目指し、Global AI Assurance Pilot、日本とのJoint Testing Report、そして2025年版Singapore AI Safety Red Teaming Challenge Evaluation Reportの3つのAIガバナンス・イニシアティブを発表した。
   https://www.mddi.gov.sg/media-centre/press-releases/singapore-announces-new-ai-safety-initiatives/

国内の主要なAI関連レポート等(1月25日～3月4日)

1. ① （2025/2/28）日本学術会議が「提言　生成AIを受容・活用する社会の実現に向けて」を公表
   https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-26-t381.pdf

2. ② （2025/3/4）金融庁がAIディスカッションペーパー「金融機関等におけるAIの活用実態と健全な利活用の促進に向けた初期的な論点整理」を公表
   https://www.fsa.go.jp/news/r6/sonota/20250304/aidp.html

海外の主要なAI関連レポート等（1月25日～3月4日）　※日時は現地時間

1. ① （2025/1/29）AI Action Summitに先立ち、AI専門家の国際グループによる「International AI Safety Report 2025」を英国政府が公開
   https://www.gov.uk/government/news/first-international-ai-safety-report-to-inform-discussions-at-ai-action-summit