AIセーフティに関する内容を中心に、国内外の主なAI政策動向をお届けします。
なお、情報収集の都合上、項目ごとに掲載対象期間が異なる場合がございます。
AI政策動向マンスリー情報
日本AISIの活動(3月5日~3月31日)
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(2025/03/24)AI運営委員会(第4回)を開催
2025年3月24日に第4回 AISI運営委員会を開催した。主に「AISI 運営委員会等設置要綱」や「AISIの今年度の取り組み状況と今後の取り組み予定」を議題とし審議を行った。
https://aisi.go.jp/effort/effort_information/250324/ -
(2025/03/26)「AIシステムに対する既知の攻撃と影響」を公開
AIシステムに対する特有のセキュリティ攻撃を俯瞰すべく、学術論文等で発表されたAIやAIシステムに対する攻撃とその影響をまとめ、「AIシステムに対する既知の攻撃と影響」として公開した。
https://aisi.go.jp/effort/effort_security/known_attacks_and_impacts/ -
(2025/03/26)「AIセーフティ・アプローチブック」を公開
AISIが公表する「AIセーフティに関する評価観点ガイド」、「AIセーフティに関するレッドチーミング手法ガイド」の活用促進に向け、両ガイドの要点を簡潔にまとめ、「AIセーフティ・アプローチブック」として公開した。
https://aisi.go.jp/effort/effort_information/250326/ -
(2025/03/27)事業実証ワーキンググループを設置
AIセーフティ評価の活動を広く一般に普及させ、AI利活用を促進させるため、AISI運営委員会の下、テーマ別小委員会として「AIセーフティ評価に関するワーキンググループ(事業実証WG)」を設置した。
https://aisi.go.jp/effort/effort_information/250327/ -
(2025/03/28)AIセーフティに関する評価観点ガイド(第1.10版)を公開
画像解析などAIの活用の幅が広がっている現状を踏まえ、マルチモーダル基盤モデルを評価対象とする場合のAIセーフティの評価観点や各観点における評価項目例を調査し、「AIセーフティに関する評価観点ガイド」の改訂を行い、」第1.10版として公開した。
https://aisi.go.jp/effort/effort_information/250328_1/ -
(2025/03/31)AIセーフティに関するレッドチーミング手法ガイド(第1.10版)を公開
2024年9月に公開した「AIセーフティに関するレッドチーミング手法ガイド」について、具体的な実施例を通してより詳細に理解できるよう改訂し、第1.10版として公開した。
https://aisi.go.jp/effort/effort_information/250331_1/ -
(2025/03/31)データ品質マネジメントガイドブックを公開
AI社会を適切に実現し、データ駆動型社会へと導くため、必要なデータ品質の持続的な確保に必要な行動を整理し、「データ品質マネジメントガイドブック」として公開した。
https://aisi.go.jp/effort/effort_information/250331_2/
国内AI政策動向(2月22日~3月31日)
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(2025/02/28)広島AIプロセス・フレンズグループ会合を開催
2023年に日本がG7議長国として立ち上げた生成AIに係る国際的なルール形成を行う枠組み「広島AIプロセス」に関連し、その精神に賛同する国々が自発的に発足した「広島AIプロセス・フレンズグループ」の初の対面会合が2月27日、28日に東京で開催された。民間企業や国際機関等が参画し、フレンズグループの活動を支援する自発的な枠組み「広島AIプロセス・フレンズグループ パートナーズコミュニティ」の立ち上げが公表された。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin06_02000311.html -
(2025/03/10)総務省が「日EU・ICT政策対話(第30回)」の結果を公表
総務省は、3月6日にブリュッセルにて欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局と開催した「日EU・ICT政策対話(第30回)」の結果を公表した。AIについては、日本側からAI事業者ガイドラインや広島AIプロセス・フレンズグループの立ち上げなどが説明された。またEU側からAI法の試行に向けた行動規範の策定状況などが説明され、双方の取組について議論が行われた。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000187.html -
(2025/03/28)総務省・経済産業省が「AI事業者ガイドライン(第1.1版)」を公表
2024年4月に公表された「AI事業者ガイドライン」(同年11月に改訂第1.01版公表)について、総務省のAIネットワーク社会推進会議及びAIガバナンス検討会、経済産業省とIPAが共同事務局を務めるAI事業者ガイドライン検討会が更新内容を取りまとめ、安全性に係る内容や脚注・直近の動向などが追記・更新された第1.1版が公表された。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ai_network/02ryutsu20_04000019.html
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/ai_shakai_jisso/index.html
海外主要国のAI政策動向 ※日時は現地時間
【米国】(3月1日~3月31日)
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(2025/03/20)米国一般調達局(GSA)が日常業務を支援する内部向け生成AIツールを発表、職員からのフィードバックを募集
米国一般調達局(GSA)は、日常業務を支援する内部向け生成AIツールの利用開始を発表した。職員からのフィードバックを積極的に求め機能を改善するとともに、政府業務のニーズに合わせた安全で信頼性が高いツールの提供を目指す。GSAは、近い将来にこのツールを他の連邦機関へ提供することを目指している。
https://www.gsa.gov/about-us/newsroom/news-releases/gsa-launches-early-stage-ai-tool-for-internal-use-seeks-staff-feedback-03202025
【欧州】(2月22日~3月31日)
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(2025/02/28)欧州刑事警察機構(Europol)がデンマークの法執行機関の主導のもとEU加盟国の警察を支援し、AI生成の児童性的虐待画像に関与した25人を逮捕
デンマークの法執行機関が主導した、AIによって生成された児童性的虐待コンテンツの配布に対する取り締まりにおいて、欧州刑事警察機構(Europol)がEU加盟国19ヶ国の警察を支援し、各国警察によって容疑者25人が逮捕された。
https://www.europol.europa.eu/media-press/newsroom/news/25-arrested-in-global-hit-against-ai-generated-child-sexual-abuse-material -
(2025/03/05)英国AIセキュリティ研究所がAI悪用防止に向けた研究に最大20万ポンドを提供する助成金の応募受付を開始
英国AIセキュリティ研究所は、AIのセキュリティと安全性に関する研究に対し、プロジェクトごとに最大20万ポンドの助成金を提供する総額500万ポンドのプログラムの応募受付を開始した。AIセキュリティを推進することで国民の信頼を高め、長期的な経済成長を促進し、責任あるAI開発における英国のリーダーシップを強めることを目指す。
https://www.gov.uk/government/news/cutting-edge-research-on-ai-security-bolstered-with-new-challenge-fund-to-ramp-up-public-trust-and-adoption -
(2025/03/11)欧州委員会が「汎用AIに関する実践規範」の第3次草案を公開
汎用AIモデルの提供者がAI法への準拠を証明するためのツールとして、EU AI Officeが2025年5月までの作成を目指す「汎用AIに関する実践規範(General-Purpose AI Code of Practice)」の第3次草案が公表された。過去の草案に比べ、より構造が合理化され、コミットメントと対策が洗練されたという。
https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/library/third-draft-general-purpose-ai-code-practice-published-written-independent-experts -
(2025/03/24)European AI Boardの第3回会合が開催
各EU加盟国の代表者が参加するEuropean AI Boardの第3回会合が開催され、EUのAI政策に関する戦略的な議論が行われた。AI法の実施戦略に関する各国の知見が共有されたほか、AIシステムの定義と禁止ガイドラインなどAI法に関連する最近の成果物と今後の成果物の採択プロセスに関する情報提供や最新のAI開発についての洞察が提供された。
https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/news/ai-board-convenes-its-third-meeting-advance-eu-ai-policy
【アジア(中国、韓国、インド、シンガポール)】(2月22日~3月21日)
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(2025/02/28)韓国放送通信委員会は「生成AIサービス利用者保護ガイドライン」を発表
放送通信委員会は、生成AIサービスの利用過程で発生する可能性のある潜在的なリスクを事前に防止するため、「生成AIサービス利用者保護ガイドライン」を発表した。事業者が参考にできる実践方案を盛り込み、サービス全般にわたって追求すべき4つの基本原則と、これを実現するための6つの実行方式を提示する。
https://www.kcc.go.kr/user.do?mode=view&page=A05030000&dc=K05030000&boardId=1113&cp=4&nop=10&boardSeq=65685 -
(2025/2/28)インド・EU 貿易技術評議会第 2 回会合を開催
インド・EU 貿易技術評議会の第 2 回会合が開催され、戦略的技術・デジタルガバナンス・ デジタル接続に関するワーキンググループを通じて、AI に関するコミットメントを含め、共通の価値観に沿ったデジタル協力の深化の重要性が再確認された。
https://pib.gov.in/PressReleasePage.aspx?PRID=2107026 -
(2025/03/14)中国政府の4部門は、共同で「AI生成合成コンテンツラベル弁法」を発表
中国の国家インターネット情報弁公室、工業・情報化部、公安部、国家新聞出版広電総局は共同で「AI生成合成コンテンツラベル弁法」を発表した。当弁法は、AIの健全な発展を促進し、AIが生成・合成したコンテンツへのラベル付けを規範化する。
https://www.cac.gov.cn/2025-03/14/c_1743654685899683.htm
国内の主要なAI関連レポート等(3月5日~3月31日)
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(2025/03)科学技術振興機構研究開発戦略センター(JST CRDS)がが俯瞰セミナー&ワークショップ報告書「人・AI共生社会のための基盤技術」を公開
https://www.jst.go.jp/crds/report/CRDS-FY2024-WR-08.html -
(2025/03)JST CRDSが連続シンポジウム報告書「さまざまな分野に広がるトラスト研究、総合知による取り組みへ(1)」を公開
https://www.jst.go.jp/crds/report/CRDS-FY2024-SY-01.html -
(2025/03)JST CRDSが報告書「人工知能研究の新潮流2025 ~基盤モデル・生成AIのインパクトと課題~」を公開
https://www.jst.go.jp/crds/report/CRDS-FY2024-RR-07.html -
(2025/03/18)国立国会図書館が調査資料「AIと社会のこれからを考える(令和6年度 科学技術に関する調査プロジェクト)」を公開
https://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/document/2025/index.html#rm1243547 -
(2025/03/31)日本貿易振興機構(JETRO)が「フランスを中心とする欧州におけるAI規制法の概要とコンテンツ産業等における影響調査」を公開
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2025/02/3ac978bc155d3126.html
海外の主要なAI関連レポート等(3月5日~3月31日) ※日時は現地時間
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(2025/03/21)証券監督者国際機構(IOSCO)が市中協議文書「資本市場における人工知能:ユースケース、リスク及び課題」を公開
https://www.fsa.go.jp/inter/ios/20250321-2/20250321-2.html -
(2025/03/24)米国国立標準技術研究所(NIST)が報告書「敵対的機械学習:攻撃と緩和策の分類と用語」の改訂版を公開
https://csrc.nist.gov/pubs/ai/100/2/e2025/final