AIセーフティに関する内容を中心に、国内外の主なAI政策動向をお届けします。
なお、情報収集の都合上、項目ごとに掲載対象期間が異なる場合がございます。
AI政策動向マンスリー情報
日本AISIの活動(4月1日~4月30日)
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(2025/04/22)一般財団法人日本科学技術連盟が主催する講演会「ソフトウェア品質保証の極意 品質保証部門長が伝える「肝」「勘所」とは?」にAISI北村が登壇
一般財団法人日本科学技術連盟主催の講演会にて、「安全、安心で信頼できるAIの実現に向けて 世界の最新AIセーフティ動向」と題し、AISI北村が講演を行った。
https://www.ipa.go.jp/disc/event.html -
(2025/04/26)シンガポールで開催されたSingapore Conference on AI (SCAI) 2025にAISI所長の村上と北村が参加
シンガポール情報通信メディア開発庁(IMDA)がデジタル開発情報省(MDDI)の支援を受けて実施した「SCAI: AIの安全性に関する国際科学交流」に、AISI所長の村上と北村が参加した。各国から100名を超える産学官の有識者が集まり、信頼性、セキュリティ、安心・安全なAIの構築に向けて議論した。
https://www.scai.gov.sg/2025/about-scai-2025/
国内AI政策動向(4月1日~4月30日)
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(2025/04/01)経済産業省が欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局と第8回日EUデジタル政策対話を開催
経済産業省と欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局は、第8回日EUデジタル政策対話をブリュッセルで実施した。技術発展の著しいデジタル分野の中でも、AI、半導体、量子、オンラインプラットフォーム、データ、サイバーレジリエンスといった重要事項について、政策動向や今後の日EU間における協力の促進について対話し、日EU間の協力内容を日EUデジタルパートナーシップに繋げていくことで一致した。
https://www.meti.go.jp/press/2025/04/20250402002/20250402002.html
https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/news/8th-eu-japan-digital-policy-dialogue-advancing-digital-partnership -
(2025/04/15)AIに関するグローバル・パートナーシップ(GPAI)東京専門家支援センターが「AIの安全性に関するツールキット」を開発
GPAI東京専門家支援センターは、生成AIの安全性と保証に関するプロジェクト(SAFEプロジェクト)の一環として、アラブ首長国連邦(UAE)の行政学校MBRSGと連携し、汎用AIの安全性に関するツールキットを開発した。7月以降にOECDのWEBサイトにて公開予定。
https://www2.nict.go.jp/gpai-tokyo-esc/news/20250415_01/
海外主要国のAI政策動向 ※日時は現地時間
【米国】(4月1日~4月30日)
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(2025/04/07)行政管理予算局(OMB)が連邦政府機関のAI利用と調達に係る新たなガイダンスを発表
行政管理予算局(OMB)は、科学技術担当大統領補佐官及び科学技術政策局(OSTP)とともに、「連邦政府機関のAI利用促進(M-25-21)」及び「連邦政府機関のAI調達効率化(M-25-22)」の2つの覚書を発表した。1月23日に発令された大統領令14179号「米国のAIリーダーシップの障壁を取り除く(Removing Barriers To American Leadership In Artificial Intelligence)」に基づいて改定されたもので、連邦機関における調達プロセスの効率化とAI活用による連邦機関業務の効率化を図る。
https://www.whitehouse.gov/articles/2025/04/white-house-releases-new-policies-on-federal-agency-ai-use-and-procurement/ -
(2025/04/24)科学技術政策局(OSTP)がAIアクションプランに関する情報提供依頼の取りまとめ結果を公表
科学技術政策局(OSTP)は、AIアクションプランに含めるべき最優先事項に関する情報提供依頼(3月15日まで実施)に対して提出された10,000件を超える意見の内容を公表した。
https://www.whitehouse.gov/articles/2025/04/american-public-submits-over-10000-comments-on-white-houses-ai-action-plan/ -
(2025/04/29)科学技術政策局(OSTP)が国立科学財団(NSF)を通じ2025年国家AI R&D戦略計画策定のための情報提供依頼を開始
科学技術政策局(OSTP)は、国立科学財団(NSF)を通じて、国家AI R&D戦略計画の策定に関する情報提供依頼(RFI)を開始した。5月29日までの期間で、連邦政府が今後3~5年の間に優先すべきAI R&Dの課題及び産学間パートナーシップのためのアイディアについての意見を募る。
https://www.federalregister.gov/documents/2025/04/29/2025-07332/request-for-information-on-the-development-of-a-2025-national-artificial-intelligence-ai-research
【欧州】(4月1日~4月30日)
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(2025/04/09)欧州委員会が「AI大陸行動計画(AI Continent Action Plan)」を公表しデータセンターの増強やAI規制の簡素化等の方針を示す
欧州委員会は、AIにおけるグローバルリーダーとなることを目標に、①大規模AIデータと計算インフラの構築、②大規模かつ高品質なデータへのアクセス拡大、③EUの戦略的セクターにおけるアルゴリズム開発とAI導入の促進、④AIスキルと人材の強化、⑤AI規制の簡素化の5つの柱を中心としたAI大陸行動計画を発表した。取組の具体化のため2件のパブリックコメントを開始し、今後データ統合戦略に関する追加のパブリックコメントと、産業界・公共部門との対話を予定する。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_25_1013 -
(2025/04/22)欧州委員会は、AI法における汎用AIモデル提供者に対するルールの範囲を明確にするため、パブリックコメントを実施
欧州委員会は、AI法における汎用AIに関するルールの解釈と適用を明確化するガイドラインの策定にあたり、パブリックコメントを実施し、関係者に対して実践的な経験の提供を求めている。汎用AIに関するガイドラインと実践規範は2025年8月までに公表予定。
https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/news/commission-seeks-input-clarify-rules-general-purpose-ai-models -
(2025/04/30)イギリス政府は選挙候補者と関係者に向け偽情報とAIの脅威に関するガイダンスを公表
イギリス政府は、選挙の候補者と関係者に向け、生成AIを用いて作成される偽情報へ対処するためのガイダンスを公表した。偽情報コンテンツの種類を整理し、個人情報の漏洩防止策や偽情報の影響を受けた場合に行うべき報告を記載している。
https://www.gov.uk/government/publications/security-guidance-for-may-2021-elections/online-disinformation-and-ai-threat-guidance-for-electoral-candidates-and-officials
【アジア(中国、韓国、インド、シンガポール)】(3月22日~4月30日)
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(2025/03/31)中国初の超知能安全実験室が北京で設立
中関村フォーラムでマルチモーダル超知能安全北京市重点実験室(Beijing Key Laboratory of Super Intelligent Security of Multi-Modal Information)が正式に公開された。中国科学院自動化研究所を拠点に、北京市が重点的に支援する基礎研究機関として、超知能分野の基礎研究を推進し、スーパー人工知能や人工知能安全などの最前線研究を行い、複雑な技術的・応用的課題を解決し、世界一流の科学研究プラットフォームの構築を目指す。
http://finance.people.com.cn/n1/2025/0331/c1004-40450533.html -
(2025/04/07)インドMeitYは、UNESCOおよびIkigai Lawと共同でAIレディネス評価手法(RAM)に関する第3回関係者協議を開催
インドの電子・情報技術省(MeitY)は、UNESCO南アジア地域事務局と実施パートナーであるIkigai Lawと共同で、インドにおけるAIレディネス評価手法(RAM)に関する第3回関係者協議を開催。インドに特化したAI政策報告書の策定を目的とするこのイニシアティブは、倫理的AIエコシステムにおける強みと機会をマッピングすることに焦点を当てる。
https://www.pib.gov.in/PressReleaseIframePage.aspx?PRID=2119746 -
(2025/04/24)韓国個人情報保護委員会、DeepSeekの事前実態点検結果を発表
2025年1月のDeepSeekサービス開始後、国内外の個人情報侵害の懸念が提起されたことで、韓国個人情報保護委員会はDeepSeekに対する事前実態点検に着手。4月23日に第9回全体会議を開き、点検結果を審議·議決した。
https://www.pipc.go.kr/np/cop/bbs/selectBoardArticle.do?bbsId=BS074&mCode=C020010000&nttId=11145 -
(2025/04/30)中国サイバースペース管理局は、「AI技術の悪用を撲滅し、是正する」ための特別キャンペーンを開始
中国サイバースペース管理局は、AIサービスとアプリケーションの標準化、業界の健全で秩序ある発展の促進、国民の正当な権利と利益の保護を目的として、「AI技術の悪用を撲滅し、是正する」ため違法なAI製品の取り締まりなどの特別措置を全国規模で3カ月間にわたり展開するよう通達した。
https://www.cac.gov.cn/2025-04/30/c_1747719097461951.htm
国内の主要なAI関連レポート等(4月1日~4月30日)
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(2025/04/22)厚生労働省が資料「将来を見据えたハローワークにおけるAI活用について」を公表
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_57223.html
海外の主要なAI関連レポート等(4月1日~4月30日) ※日時は現地時間
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(2025/04/10)OECDの枠組み内の自律的機関である国際エネルギー機関(IEA)が、特別報告書「エネルギーとAI」を公開
https://www.iea.org/news/ai-is-set-to-drive-surging-electricity-demand-from-data-centres-while-offering-the-potential-to-transform-how-the-energy-sector-works -
(2025/04/22)米国会計検査院(GAO)が技術評価報告書「生成AIの環境および人間への影響(Generative AI's Environmental and Human Effects)」を発表
https://www.gao.gov/products/gao-25-107172 -
(2025/04/22)英国AIセキュリティ研究所(AISI)が、AIシステムが自律的に自身のコピーを作成するリスクの評価ツール「RepliBench」を発表
https://www.aisi.gov.uk/work/replibench-measuring-autonomous-replication-capabilities-in-ai-systems